物性研究者 吉野治一のぺーじ スマホ版

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暫定版です.学部講義の情報のみ掲載します.

2015年5月30日開設

2016年6月23日更新


現代科学と人間
全文 前期 木・4
6/2,9,16,23を担当(計4回)

●お知らせ

2016/6/23

第3タームは終了しました.


●科目の主題
 自然科学の最先端知識に基づき,現代の人間生活に及ぼす科学的成果の功罪を理解する.

●科目の到達目標
 主題を理解し,有意義な考察が行えること.

●授業内容
 「毒の化学」(化学の光と影):
 化学物質が健康の役に立つとき薬と呼ぶ.様々な医薬品が多くの人の命を救っている陰で,薬や無害だと思っていた物質が実は毒であったという事例も多数ある.種々の公害や薬害がその例である.さらに,毒性のあるものを「ドラッグ」と称して販売する悪質な事件や,兵器やテロリズムの手段として化学物質が用いられる場合もある.これらの化学物質の毒性について理解し,毒を正しく怖がることについて考える.

1 生物の毒

2 無機物の毒

3 公害と薬害

4 麻薬・農薬・化学兵器 


●評価方法
 質問カード(毎時間提出)により評価する.

●受講者へのコメント
 特に専門的な予備知識は必要ありません.興味本位の生々しいお話はしないつもりですが,毒の作用や服用したときの症状について述べますので,極度に不快に感じる方の受講はお勧めしません.

●教材
 スライドを使って講義を行う.テキストは不要だが,より深く知りたい人は以下を参考にするとよい.◎は特に推薦する.
【毒の専門書】
 「毒と薬の科学」,船山信次 (2007) 朝倉書店.
【毒の一般書】
◎「毒の科学 毒と人間のかかわり」,船山信次 (2013) ナツメ社.
 「毒の科学」,船山信次 (2003) ナツメ社.
 「身のまわりの毒」,A. T. Tu (1988) 東京化学同人.
 「続 身のまわりの毒」,A. T. Tu (1993) 東京化学同人.
 「殺人・呪術・医薬 毒とくすりの文化史」,J. Mann (1995) 東京化学同人.
 「毒の話」,山崎幹夫 (1985) 中央公論新社.
 「毒と薬の世界史 ソクラテス、錬金術、ドーピング」,船山信次 (2008) 中央公論新社.
 「毒物雑学事典 ヘビ毒から発ガン物質まで」,大木幸介 (1984) 講談社.
【毒きのこについて】
 「日本の毒きのこ」増補改訂版,長沢栄史監修 (2009) 学研.
【細菌類・ウイルスの毒】
 「恐怖の病原体図鑑 ウイルス・細菌・真菌完全ビジュアルガイド」T. Hart (2006) 西村書店.
【無機物の毒,公害について】
◎「毒性元素 謎の死を追う」,J. Emsley (2008) 丸善.
【乱用薬物について】
◎「乱用薬物の化学」,井上堯子 (2003) 東京化学同人.
【化学兵器について】
 「生物・化学兵器」,井上尚英 (2008) ナツメ社.
 「生物兵器と化学兵器 種類・威力・防御法」,井上尚英 (2003) 中央公論新社.
【感染症について】
◎「人類と感染症の歴史 -未知なる恐怖を超えて-」,加藤茂孝 (2013) 丸善出版.
【リスク管理について】
「化学物質リスクの評価と管理 -環境リスクという新しい概念-」,中西準子・東野晴行編 (2005) 丸善出版.