2022年4月2日更新

【教育】-【大学院講義】


科目名 対象 開講時間 場所 教員数
創成分子科学 市大・理学研究科
物質分子系専攻
前期博士課程
集中講義
前半
遠隔授業 2



創成分子科学 市大・理学研究科 物質分子系専攻 前期博士課程 前期 金・3

●お知らせ
2022/4/2 2022年度の情報を掲載しました.
原則としてMoodleの情報を確認するようにしてください.

●授業概要(前半)
 量子力学や電子状態理論に基づく分子性物質の理解は分子科学にとり不可欠なものである.また,分子軌道計算,固体のバンド計算,分子動力学計算など,実験・理論につづく第三の手法としての数値計算の発展も著しい.本講義の前半では,分子軌道計算ソフトを自作することを通してプログラミング言語に習熟し,今後現れる新しい分子科学理論に基づく計算を自ら遂行する力を養う.

●到達目標(前半)
 講義の前半では,比較的簡単な経験的分子軌道法である拡張ヒュッケル法による分子軌道計算プログラムをPythonという言語によって作成する.拡張ヒュッケル法の原理の理解,Pythonの文法の習得,さらに数値積分,行列の固有値問題といった数値計算手法の習得を目指す.

●授業内容
第1回 Pythonのインストール,プログラミングの基礎(変数の型,配列,繰り返し,条件分岐)
第2回拡張ヒュッケル近似,スレーター型原子軌道,Pythonの関数
第3回座標変換,行列と行列式,多重積分とヤコビアン
第4回原子軌道の規格化,重なり積分,数値積分
第5回逆行列,重なり積分行列,ハミルトニアン行列
第6回固有値問題,行列の対角化,エネルギー固有値と係数行列
第7回HOMOとLUMO,ソーティング,ファイル入出力
第8回有機分子への適用,分子軌道の節・エネルギー・電子密度

●評価方法
 平常点,レポートの結果より総合的に評価する.(前半50点,後半50点)

●履修上の注意
 前半ではノートPCを使用する.各自持参すること.OSはWindowsが望ましいがPythonが動けばなんでもよい.
プログラミングの経験は不要.むしろ非経験者を歓迎する.
物理化学分野の講義であるが,有機化学や無機化学分野や他専攻の受講生も歓迎する.
ただし,量子化学の基本(LCAO近似まで)を理解していることが望ましい.

●教科書
 前半ではテキストのPDFファイルをMoodleにて配布する.